調光レンズのメリット・デメリットとは?|~偏光調光レンズ編~
こんにちは。
本日はお題の通り、調光レンズに偏光レンズの機能を合わせたレンズ「偏光調光レンズ」のご紹介です。
というのも、今回ブログにてUPするきっかけとなったのが加工依頼を承ったのがきっかけです。
今回使用するレンズメーカーはニコン(NIKON)製のものを使用しております。
一言でいうと「色濃度が変化する偏光レンズ」
偏光レンズと調光レンズの違いとは?
まずは簡単にですが2種類のレンズの違いをまとめます。
・偏光レンズ
偏光レンズと通常のサングラスレンズの違いですが、通常サングラスのレンズは着色されたガラス(プラスチック)レンズを用いることで光の量を軽減し濃淡ですべての光を弱め、眼を守る仕組みです。
裸眼で映っている視界をそのまま暗くしたイメージ。つまり、視界の悪さ(雑光)が残ったまま全体的に暗くなるわけです。
一般的な偏光レンズは、レンズとレンズの間にブラインドカーテンのような偏光膜を間に挟みこむことで、ある一定の方向からの光のみを目に届くようにする仕組み。
※偏光レンズはサンドイッチ設計とコーティングで作る設計がございます。
ブラインド状の偏光膜が入ることで見えづらくなる原因の雑光を取り除き、尚且つ眩しさも抑えるレンズです。
これが偏光レンズの仕組みです。
・調光レンズ
紫外線量によってレンズが変色する機能を持つレンズ。
太陽が昇っている日中(紫外線下)の間はサングラスで夜はクリアに近い色になるので、1本のサングラスで屋外・室内と兼用できるので、非常に便利なアイテムだということ。
紫外線量によってレンズが変色するため自身で色濃度が調整できないことであったり、色の退色に数分かかるなど、シーンによって向き・不向きがあると思います。
車に乗る時はフロントガラス自体が紫外線をカットしてしまう為に車内でのレンズ変化は極めて薄いので、ドライブする際のサングラスとして使うとするなら若干不向きかもしれません。
※紫外線+明るさで変色する可視調光レンズというのもあります(車内で中濃度くらいに変色します)。
instagramでは調光レンズの動画もUPしております。
※イメージ画像はレンズメーカーHOYAのものを引用しています
本題の偏光調光レンズはというと?
上記の2種類の機能レンズを組み合わせた偏光調光レンズはどうなの?
”外で色づく調光性能に加え、屋外の照り返しや乱反射をカットする偏光性能を発揮する快適な視界が得られるレンズ”
このレンズは非常にユニークで使い方によっては非常に優れた眼鏡+サングラスを作れます。
今までと少し違う設計を採用
偏光調光レンズは全てコーティングによって行われています。
イメージとしては偏光レンズのフィルターを調光素材で仕上げたといった感じです。
なので、色が100%に近づくほど偏光機能が発揮されます。
車中で色は変わるの?
A.車中でも色は変わりますが、偏光機能は発揮されない。
今回のレンズは可視光線調光という紫外線+明るさによって変わる設計。
色は変色しますが、車中で変わったとしても約40%くらいの色濃度で、100%に近い濃さになるというわけではありません。
室内(弱)→ 車内(中)→ 屋外(強)といったように、使用する場所によって3段階に色濃度が変わります。
車中でのレンズは中濃度くらいに色が変わりますが、偏光機能はまた別の話。
偏光機能は0%ではありませんが、「車中での偏光機能はない」と思っていただいていいと思います。
なぜなら今回のレンズは、色の変わり具合(濃度)によって偏光機能が依存するという特徴があるからです。
車中では40%くらいの変化なので偏光機能も40%以下しか発揮されない普通のカラーレンズとほぼ変わらないということになります。
使い方によっては非常に便利なアイテム
これは調光レンズにもあったように、1日中着ける方にとっては屋内・車内・屋外どのシーンでも使える+偏光レンズとしての機能である雑光をカットできる(レンズ濃度が約80%~100%時)便利なレンズです。
※最大着色時で90%の偏光度を発揮となります。
メリット・デメリット|まとめ
メリット・デメリットは以下となります。
メリット
・サンドイッチ設計ではなくコーティングによる設計なので、多様なフレームに使用できる。
・紫外線だけではなく明るさにも反応する可視光線調光を採用しているので、1番使用したい車中でもサングラスとして使える。
・1本のフレームで屋外・室内と兼用できる。
デメリット
・サンドイッチ設計ではなくコーティングによる設計なので、レンズに傷がつくと傷部分は機能がなくなる。
・紫外線だけではなく明るさにも反応する可視光線調光を採用しているので、室内でもやや色付く。
・色の変わり具合によって偏光機能が依存する特性上、車中では偏光レンズとしての効果が発揮できない。
・自身で色濃度が調整できないことであったり、色の退色に数分かかる。
これは個人的な意見となりますが、偏光調光レンズは偏光・調光の良い部分を集めた設計ですが、偏光レンズ・調光レンズを単体で見た時のパフォーマンスは80%くらいの印象です。
~偏光レンズとして見た時の場合~
偏光機能を発揮する為には、レンズの色濃度が濃くなければいけませんが、もし薄暗い中での朝・紫外線が届かない状況ではどうなる
かというと、車内と同じ変化となります。
~調光レンズとして見た時の場合~
使用頻度にもよりますが、レンズの寿命は約4年前後と考えるとよいです。
調光レンズの場合は色の変化も経年変化でどんどん変化が薄れていきます。
寿命ともなれば一番薄い色でもなく、一番濃い色でもなく丁度中間の色に落ち着き、色の変化がしにくくなっていくという面もあります。
寿命ともなれば、偏光レンズは色に依存する以上、偏光機能も同時に使えなくなります。
調光の機能を100%発揮するならやはり調光レンズ・偏光の機能を100%発揮するならやはり偏光レンズが1番です。
お試しください。
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