各メーカーによる偏光レンズのメリット・デメリットとは?
こんにちは。
今回は以前のブログ「偏光レンズのメリット・デメリットとは?」の続編となっています。
※2023年に情報更新しました。
偏光レンズとは?
偏光レンズにも各メーカーによって違いがあります。個人的な目線で各メーカーによる偏光レンズの違いをお伝えしたいと思います。
今回比べるのはスポーツアイウエアとして、実際各スポーツのプロ選手も愛用者が多いOAKLEY(オークリー)と、偏光レンズをメインに作っているレンズメーカーTALEX(タレックス)の偏光レンズ・HOYA(ホヤ)の偏光レンズ「ポラテック」を比べていきます。
まず、偏光レンズと通常のレンズの違いですが、通常サングラスのレンズは濃淡ですべての光を弱めます。
裸眼で映っている視界をそのまま暗くしたといったイメージです。
つまり、視界の悪さが残ったまま全体的に暗くなるわけです。
偏光レンズでは、見えづらくなる原因の雑光を取り除き、尚且つ眩しさも抑えます。
2種類のレンズを見比べてみよう
(左)は元の状態。(中)は偏光レンズ。(右)は通常のサングラスレンズとなっています。
つまり、視界の邪魔な部分をカットして眩しくない鮮明な視界へと変えてくれる光のフィルターが入ったレンズとなっていますので、比べてみると一目瞭然です。
そして、殆どの眩しさをカットする偏光レンズですが、すべてのレンズが同様に作られているわけではありません。
HOYA(ホヤ)”ポラテック”のレンズ設計とは?
・HOYA(ホヤ)の偏光レンズ(ポラテック)は従来のフィルムを挟み込む構造とは違い、偏光膜をレンズ表面にコーティングするレンズ設計。
サンドイッチ設計の偏光レンズとは違い、「ツーポイント・ナイロール」フレームのフィルター剥離の不安を解消しますので、今までお勧めしにくかったモデルでも偏光レンズを使用できるようになっています。
また、強度近視の方にとってはレンズの厚みが出にくくなっている所も嬉しい所。
後にご紹介しますが、フィルムをサンドイッチする構造では、フィルター分の厚みが出てしまうのに対し「ポラテック」はコーティングなので、厚みを抑える事が可能となっています。
サングラスは目を守る道具と同時に、ファッションの小物として使用される方も多くなってきています。
そして、実用的に度付きサングラスで作るとすると「厚みがどうしても気になる・・・」と遠ざけていた部分も解消してくれます。
なので、今まで制限されたフレーム選びから幅が広がり、オールマイティーに対応出来て、自由度が高くなったという印象です。
オークリー(OAKLEY)のレンズ設計とは?
・OAKLY(オークリー)の偏光レンズは「HDPolarizedテクノロジー」という技術で、ビジョンを歪める接着剤とフィルムを排除したフィルター注入成形による単層レンズでの設計。
OAKLY(オークリー)では、完全な単層レンズを製造するため、正確な注入成形プロセス(レンズ1枚を成型する際に注入式の偏光膜を成型。)を使用することによって接着剤やフィルムが不要となっています。
つまり、従来のように偏光膜はサンドイッチされている状態ですが、レンズ作成の際に層をつくると同時に偏光膜も成形する独自技術。
単層レンズにする理由としては、接着剤を使用すると透明度を低下させ、歪みを強調させてしまう為。
なので、サングラスの材質層を貼り付ける接着剤は使用せずに偏光機能を実現した技術力が高いレンズといった印象。
TALEX(タレックス)のレンズ設計とは?
・TALEX(タレックス)の偏光レンズは、従来の設計でフィルターをレンズの間にサンドイッチする設計。
独自の「雑光カットフィルター」にヨード系原料を用いることで高い雑光カット率と可視光線透過率を実現する事に成功し、0.03mmという極薄のフィルターをレンズとレンズで完全に密着した状態で挟み込んでいます。
TALEX(タレックス)のその偏光フィルターの接着技術がとても重要な部分。
40年以上の技術力・全行程の60%以上をハンドメイドで製作することにより、偏光フィルターの接着技術を可能とし、「透明度・歪み」を克服した、世界でもトップクラスの技術での設計です。
こちらは、素材と接着技術の高さから生み出された設計のレンズといった印象です。
※TALEX公式ページより引用
一口に偏光レンズといってもマニアックですが、レンズ作成方法の違いがそれぞれあります。
各レンズのメリットとは?
度なしの場合で、今回比べた3種類のレンズのメリット・デメリットはコチラです。
◆メリット
HOYA(ポラテック)
・様々な形状のフレームで作成することが可能。(ナイロール・ツーポイントなど)
・濃い・薄い色の濃度別にシリーズが用意されている。
・Basicカラーシリーズ(偏光機能を重視したダークカラー)
・Ryカラーシリーズ(偏光機能が高いダークカラー)
・Brightカラーシリーズ(街でもおしゃれなライトなカラー)
OAKLY(オークリー)
・ミラーの種類が豊富。
・レンズ素材が丈夫で割れにくい。(Plutonite®という特許素材を使用。)
・他社にはない偏光レンズ+コントラストを向上するPLIZM偏光レンズがある。
TALEX(タレックス)
・可視透過率が高いので明るい。
・濃いカラーから薄いカラーまで幅広い展開。
・ナイロール・ツーポイントでも作成可能。(TALEX CACCHU選択なら可能)
・ガラス偏光レンズが選択可能。
※CACCHUは、防弾などにも使われている弾力があるレンズです。
・枠なしやハーフ型のフレームに使用可能。
・対して通常の枠があるフレームに入れると通常レンズと比べ弾力性があるため、少しの力で外れるのでお勧めできません。
各レンズのデメリットとは?
◆デメリット
HOYA(ポラテック)
・レンズ表面のコーティングの為、傷が付くと偏光機能が失われていく。
・OAKLY(オークリー)と比べ、ミラーの種類が2種類(シルバー・オレンジ)のみ。
・コーティングなので、薬品等が付着した場合は、レンズが変質し使えなくなることがある。
・度なしでのレンズ価格はやや割高になる印象。
偏光機能を少し抑えたライトカラー(Brightカラーシリーズ)※HOYA公式ページから抜粋
OAKLY(オークリー)偏光レンズ
・オークリーのフレーム以外では使用できない。
・薄いレンズカラーがない。
TALEX(タレックス)偏光レンズ
・フィルター自体がサンドイッチ構造のため、ナイロール・ツーポイントフレームでは、剥離しやすくなる。(ナイロール・ツーポイントフレームはCACCHUで対応が可能)
・OAKLY(オークリー)と比べ、ミラーの種類が2種類(シルバー・ゴールド・ブルー)
・サンドイッチ構造の為、湿気によるフィルム剥離が起こる可能性がある
※TALEXゴールドミラーコーティングは2021年に取り扱い終了となっています。
といった内容です。
今回はこの3メーカーにフォーカスを当ててみましたが、他にも各レンズメーカーさんによって違いはあり、長所・短所に加えて、出来る・出来ない部分があります。
度付きの場合はまた少しメリット・デメリットが上記の時と若干変わります。
各レンズのデメリットとは?(度付きver)
◆デメリット(度付き)
HOYA(ポラテック)偏光レンズ
・薄いレンズカラーが少ない。
・コーティングの為、傷が付くと偏光機能が失われていく。
・ミラーコートが2種類(シルバー・オレンジ)
OAKLY(オークリー)偏光レンズ
・オークリーのフレーム以外では使用できない。
・薄いレンズカラーがない。
・スポーツ用ハイカーブ設計の為度付きの場合、モデルによっては製作範囲度数の幅がある。
TALEX(タレックス)偏光レンズ
・フィルター自体がサンドイッチ構造のため、ナイロール・ツーポイントフレームでは剥離しやすい。(ナイロール・ツーポイントフレームはCACCHUで対応が可能)
・度付の場合は層を重ねるサンドイッチ形状の為、レンズの厚みが出やすい。
・OAKLY(オークリー)と比べ、ミラーの種類が2種類(シルバー・ゴールド・ブルー)
最後に
また、ガラスの偏光レンズの場合は細かい傷に強い分、よりクリアな視界が確保できます。
なので、動きの少ない車でのドライブなどにおすすめです。(度付きでガラス偏光レンズを作製できるのはTALEXのみ)
しかし、ガラスレンズはプラスチックレンズに比べ重くなりますので、フレーム選びが最も重要なポイントとなってきます。
是非店頭でお試しいただければと思います。
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